シバちゃんのため息

さぼったおかげで出世する?

小説を書くつもりで想像してもらいた。
まず、アジア商事と北米商事と言う大手商社が大きな取引をする事になった。文字通り、アジア商事にとっては社運をかけた大商いである。
そのアジア商事側の責任者は井口部長、そして担当課長は奥村勝蔵と言う。取引は銀座の一流ホテルの一室で行なわれる。北米商事はもちろん、常務クラスの重役が約束の時間に合わせて待機していた。
さて、当日の朝、駅で待ち合わせたアジア商事の二人はとりあえず打ち合わせと称してとあるカフェに入った。
「部長、あまり時間がありませんよ、コーヒーなど飲んでる場合ではないでしょう。」と、課長はあせっていた。なんといっても今日の取引如何で会社の運命が決まってしまう恐れがある。アジア商事の資金繰りは急を要していることは部長ならずとも社員全員が認識しているのだ。
「課長、あせるもんじゃない。佐々木小次郎が負けたのは武蔵に待たされたからだろ、取引というのは駆け引きも必要なんだ。」
「部長、トンデモありません。時間に遅れたらアウトですよ。」
「君はせっかちだね。そんなんでは将来がないよ。どうだ、ちょっと運試しにパチンコでもするか?」
「いやですよ、部長。そんな気にはなれませんよ・・・・。」と言いながらも部長の命令には逆らえない。
たっぷりと二時間ほど遊び、約束のホテルに到着したら北米商事の面々はすでに怒って帰っていた。
この取引を失ったアジア商事はあえなく倒産した。

さて、問題です。この二人はその後どうなるでしょう。

話は変わって、「ウェルカムツゥ・パールハーバー」を昨晩読み終えました。全編サスペンスタッチで、小説と歴史の間を埋める軽妙な筋立てはなかなか結構なものだった。しかし、ほぼ最終段階でがっかりしてしまった。
それは上に小説として書いた話と同じ出来事に関してである。

日本外務省からの暗号電報を解読清書し、宣戦布告の時間までに相手国側に手渡すのは、駐米日本大使館としては当然の義務であり、仮に遅延したとするなら、そのミスは致命的であり、たとえ死んでも取り返せるものではない。

その本の下巻P536にはこうある、
「奥村さん(一等書記官)、けっきょくわれわれは戦争阻止に失敗したけど、このままおめおめと開戦したら、命がけで謀略をあばいた天城さんの御霊に申し開きがたたない。せめてアメリカ側の反撃を最小限に抑えるため、この通告を手渡すのは、攻撃が始まってからにしようじゃないか。」と井口参事官は言われた。

つまり、アメリカへの通告が遅れたのはこの参事官の独断で、思いつきで行ったものと書かれてある。確かに小説だから何を書いても構わない。しかしものには限度と言うものがある。絶対にありえないことだ。国家の威信が掛かる緊張した局面で、一役人が独断で判断することなど絶対にありえない。
この人はこの本で何を言いたいのだろう。日本が何十年も汚名を着せられ、「リメンバー・パール・ハーバー」と叫ばれるきっかけを作ったこの行為が単に、一大使館員の思い付きだったとでも言うのだろうか。

それでは話を戻し、先ほどの常務と部長はその後どうなったのであろう。

アジア商事は倒産し、北米商事が後を受け継いだ。すると、取引に遅刻した二人は首になるどころか大いに出世し、二人ともそこの重役に納まった。アジア商事を首になった社員は口々に、「彼等はアジア商事をつぶすために、わざと遅刻したんだ。」と。

さて、この奥村勝蔵一等書記官と参事官だった井口はともに戦後、外務省事務次官という官僚のトップにまで出世している。この失敗したはずの人間が出世したと言う歴史的事実を小説家としてどのように捉えるか。小説家としての技量が問われる。
残念ながら、この本は読むに値しない。さらに、期待していた白洲次郎は最後まで登場しなかった。一人、エコノミストというコードネームで呼ばれるダブルエージェントが登場するものの、白洲氏の経歴と比べ合致するものは何もない。なぜエコノミストという架空で、しかも役割のはっきりしない男を登場させたのかは筆者に聞くしかないが、聞く価値はあまり感じない。

八百長理論からすれば、この宣戦布告の遅れはアメリカからの希望であり、そうでなくてはアメリカ国内を一本にまとめることが出来ない事情があったのだ。当然、大使館の人間が日本を裏切ったのであり、終戦後、出世したのは役目を全うしたからである。もっと言うなら、日本で死刑にならなかったのは日本の首脳部も承知だったからである。小説を書くならそのぐらいの想像力が必要ではないか。
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by sibanokuni | 2009-04-07 09:57 | マヨちゃんの陰謀論
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