甘粕は本当に子供を殺したのか?
あー、びっくりした。何が?たかが北朝鮮の核実験で号外が出たとか・・・・これには驚いた。そんなにすごいことなのか、それともよほど重要なのか・・・・。
いずれにしても、北朝鮮が「ねえ、こっちをむいてよー」と誘っているんだから、普通は無視するのが当たり前なのに、この異常な反応。逆に言えば、北朝鮮から日本に対する重大なサインを受け取ったということか・・・・? この深い意味はわからないが、水面下で何かが大きく動いていることは間違いない。もちろん、私には知るよしもない。ただ、日本の新聞が一面に報道したのは「はい、了解しました。」という意味である。 正統派右翼雑誌、「月刊 日本」6月号が着いた。アナキストのマヨちゃんは右も左も何でも読む。なんでもありのこの時代、どっちが右なのかさっぱりわからない。この雑誌を読んでいても格別右とは思わない、ただ、たまに西村眞悟のようなねじが切れた人がいるにはいるが・・・・。 さて、一番先に読むのはもちろん落合莞爾の疑史だ。今月の記事は本当にすごい。全文掲載したいぐらいだが、しばらくすれば「読書日記」に発表されるだろうから、興味のある人はそちらをごらんいただきたい。 今月号に載ったのは、吉薗の日記から、甘粕が大杉栄とその妻、そしてその子供を本当に殺したのかどうか、そして殺したとしたら、なぜ殺したかが明らかにされている。まだまだ満州のことは研究をはじめたばかりなので十分には承知していないが、従来の歴史家はあまりこの件についてははっきりとは書いていない。つまり、甘粕が殺したとはおもえないのに一人で罪をかぶり、そのため彼には軍部も頭が上がらなかった・・・ような表現が多いと思う。憲兵隊が一家全員を殺してしまったのは事実であり、甘粕一人がそれを為したわけではないのもまた事実であろう。 ただ、大杉を単なるアナキストであり、殺さねばならないほどの影響力があったとは思えないという論評は多い。ほとんどの人はなぜ殺されたかを知らないのではないか。問題はここだ。 吉薗の証言によると、大杉は後藤新平の依頼で、上原元帥と石光憲兵司令官両人の秘密結社関係を調べにフランスへ渡り、おそらく何らかの証拠をつかんで帰国したのである。つまり、上原は自分の背後関係を隠蔽するため甘粕に命令し、殺させたのである。そしてその妻も大杉の指令で青山教会へ潜入し、ポンピドー牧師を洗っていたという。 結局のところ、大杉夫婦はアナキストではなく、後藤の支配下の工作員だったのだ。これはまったく驚いた。 最初、吉薗はそのあたりを知らなかったため、正直に日記に書いている。つまり、甘粕もかわいそうに、そんなことをさせられて、私もそんなことを命令されることがあるのだろうか・・・というような内容である。 吉薗は甘粕を個人的には大好きで、仕事も兼ね、何度も拘置所に面会に行っている。刑務所では特別待遇で、10年の刑期を4年で済ませ、フランス留学後に満州へ渡っている。とても罪を犯した人間にたいする扱いではない。 問題は後藤新平という英雄と、上原元帥という薩摩ワンワールド派との対立軸で、任務とはいえ吉薗は醒めた目でそれらを見ているところがおもしろい。 なぜ大杉の子供まで殺したかというのは、おそらく世田谷一家殺害事件と同じ構図で、憲兵隊は何かを探していて、子供を殺すと脅迫し、大杉に白状させようとしたのではないか。あるいは背後関係を聞き出していたのかもしれない。 このあたり、現在捜査中の蟹江殺人事件も同じ臭いを感じるのは私だけであろうか。 またもや宣伝で恐縮だが、(私は買収されているわけではありませんよ・・・)月刊日本はおもしろい。 ただ、基本的には右翼の本だから心して読まなくては・・・。
by sibanokuni
| 2009-05-26 06:32
| マヨちゃんの陰謀論
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