シバちゃんのため息

誰も知らないお種の話 第一部

実は、昨日はブログが書きたくなく、小説を書いて気を紛らせていた。私としては比較的長い物語になるはずだった。
やはり、書きながらあまりのくだらなさに自己嫌悪に陥ってしまった。で、ボツにしようと思ったが、せっかくだから一応公開します。
まったく架空の話であり、仮に似た話があったとしてもそれは偶然ですので気にしないでください。
おおむね三部の構成で、今日はその一部であります。

「誰も知らないお種の話」

第一部 お種の保存


あるアジアの小国、パンダ国皇太子、ヒロちゃんが世界の大国、エビス国へ訪問した時の話である。

彼の目的は懸案になっていたパンダ・エビス同盟の更新である。先の大戦で勝利した大麦国はその条約を廃棄させるよう運動を始めていた。
それは実は微妙な時期だった。
皇太子は半年の予定でインド洋を回り、エビス国へ入り、一等書記官、吉田の案内でウインザー城内の迎賓館に迎えられた。

ヒロちゃんは緊張していた。なにせ、相手は世界の王族中の王族、ジョージ君である。先ほど部屋にやってくると連絡が来ていた。
落ち着かない雰囲気の中、かれは側近の牧野にタバコをねだっていた。
「ねえ、タバコくれよ」
「えー、殿下、またですか?これね、僕のタバコなんですけど。」
「いいじゃないか、一本ぐらい。それにマキちゃんのタバコ、なぜかすっきりするんだ。」
「殿下、実を言いますとこのゴールデンバット、ちょっと秘密があるんですよ。」
「えー、うそー、どんな?」「これはね、満州で作ってる秘密のタバコで、ちょっと薬が入ってるんですよ。」
「へえ、そうなんだ。だからおいしいんだ。それはいいけど、はやくくれよ。」
「仕方ないな・・・・、いやだな、おいら安月給なのに・・・・」
と、ヒロちゃんは牧野のゴールデンバットをもらい火をつけたとき、突然ジョージ君が部屋に入ってきた。

「まあ、まあ、掛けたままでおってちょ。ええて、ええって、そのままで。堅苦しいこといわんでも。」
ジョージは上手な名古屋弁で話しかけて、ヒロちゃんを片手で制し、自分は彼の前の席に腰掛けた。
「どえりゃあいい臭いがしとるがや、それ薬がはいとるなあ。俺にも分けてちょ?」
牧野はおもわず、「えーえ、またですか?これ僕のタバコですよ」
「エーがや、それくらい。またこんどお返しするで。」
ジョージもまたゴールデンバットを吸い、二人とも、とても満たされた気分になっていた。

「ところで、ヒロちゃん。話があるんだわ。」「はい。なんでしょうか。」
ヒロちゃんは思わず緊張して答えた。
「ちょっとまってちょう。堅苦しいことはなしにしてちょう。だけど、大事な話だで、ゆっくり聞いてちょうよ。」、「え、はい。」
「あのよー、明日あんたにガーター勲章をわたすんだけど、どんな意味があるかしっとるか?」
「いやー、お父さんも、おじいさんももらってるから別に考えたことないけど・・・・。」
「うちの家ではよー、世界中の王族のお種度を調べてるんだわ。ほんで、清国の皇帝はもとが女真族でうちの祖先のチンギスを亡ぼしとるでいかんわ。ただ、ちょっとだけお種度があるもんでよ、殺すことだけは許してやったけどよ。」
「へー、そうなんですか。お宅はチンギスの家系なんですか。」
「イヤー、厳密に言うとちょっと違うがね、正直言うと、ヨーロッパの王族は多かれ少なかれアッチラ王から種を分けてもらっとるんだわ。5世紀ぐらいの話だがよ。チンギスも当たり前だけどその家系だで、アッチラの子孫だわな。」
「へー、私の習った歴史とずいぶんちがってる話しなんですが・・・」
「そりゃあそうだろな。なにで勉強した?」
「はあ、扶桑社の新しい歴史教科書ですが。」
「そりゃあいかんて、そんなの何もほんとのこと書いてないでよ。俺達の王族はよ、実はベネチアからヨーロッパに散ったんよ。アッチラさんと話がついてな。だからアッチラのお種度がないと王族にはなれんでいかんわ。」
「はあ、そうなんですか。」
「ところで、難しい話なんだが、あんたとこの家系を調べさせてもらったよ。どえりゃあ驚いたがや。あんたとこはよー、おれらーよりお種度が高いでいかんわ。」
「へえ、そうなんですか?」
「そうだがや。わしらアッチラのお種だが、あんたとこはもっと古いでいかんわ。もっと根元からいっとるんだわ。」
「本当ですか?」
「あんたなんにもしらんなー。ええか、天孫だろーあんたとこ。」
「イヤー、あれは神話ですから、信じちゃあいませんよ。」
「なにいっとる、天孫というのはアムール川を下っていったアッチラ様よりもうひとつ位の高いアルタイ様の子孫であらしゃますぞ!」
「どひゃあー、そうなんですか?」
「アルタイ様はその昔、世界中に使者をだし、世界を支配することに決めたのでごじゃります。」「それはいいけど、その話し方、とってもへん。普通に名古屋弁で話してよ。」
「あ、こりゃあご無礼。西へむかったのが今のアッチラ様のご先祖様で、真ん中がモンゴルから中国へいったんじゃ。ほんで、東へむかったのが天孫族よ。」
「そうなんですか。学校では習わなかったなー。」
「いや、今の学校教育はひどいもんだでよ、無茶苦茶だでいかんわ。」
「僕も日本へ帰ったら教科書を書き直すように言っておきますよ。」
「ぜひそうしてちょ。で、天孫族は二つに分かれ、パンダ列島へ向かった子孫と、中国方面に向かった人たちといたんだ。パンダ国に行かれた人たちはあとで亡びたみたいだが、満州に残ったご先祖様は中国から来た貴種の殷王朝の種と混ざって、最終的に韓半島からパンダ国へのがれ王朝を作ったちゅうことだわ。まあ、いろいろ混ざっとるでよ、お種度の判定はむずかしいんだが、一応根っこが貴種だでよ、我々よりもお種度が高いかもしれんのだわ。」
「お種度が高いとどうなるんですか?」
「そりゃあ、えりゃあことだわさ。世界を支配する権利があるちゅうことだわ。」
「本当ですか?」
「そう、そうなんよ。だから、明日は文句なしにガーター勲章をもらえるんだわ。」
「はい、ありがとうございます。」
「それでな、ものは相談なんだがよ。今晩、儀式をしてほしいんだがや。」
「儀式?」「そう、世界の王族の仲間に入る儀式だがや。」
「どんな儀式なんですか?」
「まあ、こないだネットでも書いてあったけど、言ってみれば日本の大嘗祭みたいなもんだわ。」「ああ、それなら僕も今度やるはずになってます。」
「ちょっとちがうんだな。こっちの儀式は、もっと怖いんだわ。うちの女官と一緒に寝床を共にするんだわ。」
「えー?僕、年上はいやですよ。」
「いいって、ちょっとの間の辛抱だがね。目をつぶっとりゃあいいがね。今日はエビちゃんのそっくりさんだでよ、かわいいでいかんわ。」
「まあ、そりゃあうれしいなあ、で、何のためですか?」
「まあ、言ってみればお種の保存かな?」
「僕のですか?」「そうとも」


・・・・・ということで、ヒロちゃんはその晩、エビちゃん女官とともに寝床をともにし、二人で食事をし、お種の保存の儀式を済ませた。
実をいうと、この女官はお種保存会の人たちで、もともとお種度が高いらしい。もし、各王族に跡継ぎが絶えそうになると、このお種保存センターから跡継ぎが派遣されるという。ただし、一般の国民はそんなことは知らない。

次の朝、ぐったりしているヒロちゃんのところへジョージ君は再びやってきた。そして昨日とは違って怖い顔をし、重要な話があるのだという。

気が向いたら続く・・・・・
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by sibanokuni | 2009-06-09 13:35 | 小  説
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ため息ばかりのシバちゃんと、ぼやいてばかりのご主人様、マヨの日記です。
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