後世に残す本とは。
「さらば暴政」を読み終えた。私のようなものが藤原先生の著書に対し書評などというものを書けるわけがない、また、先生は本というのは行間を読むものだと言われているので、さらっと読んだだけでは、「お前は何を読んだのだ。」と笑われてしまう。まあ、読書後の感想程度にしておきましょう。
世襲議員として毛並みの良さ、そしてルックス、上等そうな背広、さらにタカ派としての歯切れのよさが安倍議員の唯一の売りだった。そのメッキがはがれるのも思った以上に早かったが、その程度の人間しか在庫が無かった自民党の深刻さは麻生政権が誕生し、漢字すら読めない漫画のような首相を見たとき絶望となったのである。 その深刻な日本の診断を冷静に、そして深く、ばっさりと切ったのがこの本である。 たっぷりと、しっかりと書かれた批判の一つ一つは、どれも今の日本の状況が取り返しのつかないところまで来てしまった事を告げている。終わった事だからもういいというわけにはいかない。同じ道を二度と通らないためにも日本国民は肝に銘じなければならない。 「平成幕末のダイオアグノシス」と「小泉純一郎と日本の病理」に続く、平成三部作に位置づけられるこの本は田中首相が病で倒れた時代から現在に至るまでの日本転落の歴史そのものを描いている。 私はサムライさんからこの「平成幕末・・」をいただき、今年の春、それを読んだ。鮮度が命のこの種の本を出版されて十数年たって読む価値があるのかと思ったが、それは大間違いであった。平成も二十年が過ぎ、すでに平成は歴史として刻まれているのである。後世の研究家がこの時代を調べる時、藤原先生の本を読めば、「えー?歴史書とちがうじゃん。」と思うであろう。たとえば、私が明治維新を研究していて、このような本が存在していたらどんなに助かるだろう。つまり、この種の本は、いま何部売って、どれだけ儲かったかではなく、後世に残す価値があるかが問われるのである。平成はあとそれほど長くはないだろう。自民党が終わるまでの歴史の最終章がここで完結する。自民党の終末を研究する人はこの三冊を読めばなぜそれが終わったのか十分に理解が出来るはずである。 さて、この本に書かれているが、そもそもこの混迷の最大の責任者はいうまでもなく清和会、森元総理、その人であり、「噂の真相」が暴露したように、警察に頼み込んで婦女暴行の記録を抹殺したのが始まりである。 次の小泉は大学時代に起こした女子大生レイプ事件で裁判を起こされている。これも警察、検察に協力してもらい、無事にもみ消しをした。二代に渡り、警察、検察に弱みを握られた内閣は、おそらく最後までそれらに頭を押さえられっぱなしであっただろう。この十年、警察や検察がやりたい放題だった原因がまさにここにあるのだ。鈴木宗男、植草、そして野中の失脚、橋本献金疑惑、農水大臣の自殺・・・・、すべて内閣ではなく検察主導の謀略であろう。もはや日本は検察が動かしていたのである。 小沢氏の西松建設がらみの献金疑惑も検察が勝手に動いたのであり、麻生さん以下、自民党議員全員、果ては民主党にとってもほとんど明日はわが身である。完璧に真っ白な議員などいるわけはないのだ。 小沢氏はそれを感知し、あえて一歩奥へ引いたのである。 検察が起訴すれば裁判官はいかなる理由があろうとも有罪にしてしまう。証拠も証人も関係ない。これほどの恐怖政治は例がない。すべての原点が森首相の婦女暴行事件抹殺から始まったのである。 藤原さんはこの本の中で日本の言論統制や、出版界にはびこる自主規制を危惧している。まさに今警察はネットにも網を掛けようと虎視眈々と狙っている。幸い解散により先送りになったが、あのアグネス・チャンという無国籍人が訴えている「児童ポルノ」規制法である。メールで勝手に送られたポルノが保存された段階で有罪になってしまうという恐ろしい法律である。基本的には民主党も反対ではないそうだから、おそらくは多少姿を変えて登場するだろう。民主党はまず政権を取ったら「警察・検察規制法」を制定し、憲法の精神を守り、人権と自由を保証する社会を目指すべきだろう。それが出来なければ民主党も同じ末路をたどるに違いない。 書評は書けないので、自分の勝手な意見を書かせていただきました。
by sibanokuni
| 2009-08-06 19:32
| シバちゃんのため息
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