シバちゃんのため息

復讐するってどうよ

昨日は女房の言うまま映画を見に行った。見るまで何の映画かを知らなかったが、知っていたらおそらく見なかっただろうと思う。映画の名前は「さまよう刃」というもので、娘一人父一人の家族で、その中学生の娘がヤンキーに強姦殺害され、その犯人の男達を残された父親が復讐するという話である。
基本的に私は復讐物は見ないことにしている。だから赤穂浪士は絶対に見ない。いつも歌舞伎の「討ち入り」を喜んで見に行く母親や女房に、「大勢の男達で、もうすぐ死にそうな年寄を集団暴行で殺す物語のどこが面白いの?、ただのいじめじゃん・・・。」と非難する。ホント、私は変わり者ですね。

何の罪もない少女を単に欲望の赴くままもてあそび、その後殺害する。こんな犯罪が許されようもなく、最近では私の自宅そばで三人組が一人の女性を誘拐殺害事件があり、犯人のうち二人に死刑が言い渡されている。

この映画の本質は復讐の鬼となった寺尾聡が犯人を追いかけ、結果、狙われた犯人の命を守るのが警官だったという構図になり、刑事が「どちらのための警察だ!」と叫ぶのがこの映画の言いたかったことなのだろう。もちろん、少年法の不条理を訴えるというとこもあるかな。

正直、人間として復讐に燃える寺尾聡役の主人公に共感を覚えるのは人情で、犯人がよりどうしようもない男であればあるほどそれは過激な結果を期待するであろう。私は映画を見ながらその心理に誘導されていくのがとてもいやなのだ。「この状況になれば、自分でも殺人をいとわないだろう。」と認めることがいやなのである。
映画というのは勝手に作ったものであり、全員の深層を描くか否かは監督、脚本家の自由なのだ。犯人役を極悪非道に描くか、なんとなく自分もやりかねない状況に描くかは監督の人間性なのである。
私が好きだった「はぐれ刑事」はヒューマニズムにあふれていた。それは、普通の人間が、何かのきっかけで犯罪者になってしまったという、犯罪者は悪人だとする一般の刑事ドラマとは一線を画す物だったからである。
藤田まことという実に味のある刑事が犯人を追い詰めていく中で、一般人が犯罪者に成り下がっていく過程を一歩ずつ探り、犯人が本当の悪人ではなく「魔」が差したのだと証明してゆく。それがドラマではないか。
私は犯罪ドラマを取り締まる刑事側から見るのは好きではない。「正義」を振りかざし、かっこよく取締りをしているつもりだろうが、正義なぞどこにもないではないか。
私が見たいドラマは犯人も人間であり、なぜそのような犯罪を犯すことになったのか、人間である以上必ず両親がいたはずで、その両親はどんな人で、家族はいるのか居ないのか、どんな仕事をしていたのか・・・・その状況を知らない事には、犯罪が起きたその罪を問うだけではやりきれなさだけが残る。
犯人が人生を転落するきっかけはどこにもあり、犯罪を犯す時の心境、さらに逃亡中の犯人達の心理、これらを描いていないドラマはあまりにも一方的で、下らないアクションドラマに過ぎない。
犯罪を取り締まる事は必要であるが、どのようにして犯罪者が誕生したのかを追及しないことには犯罪は減らない。亀井さんが日経連に「犯罪者が増えたのはあんた達のせいだ・・」というのはその意味で正しく、それを聞いて「えー?私がわるいのですか?」と聞きなおした経営者には犯罪の起きる深層を考えた事もないということである。

とにかく、昨日観た映画「さまよう刃」は三文アクション映画としてはよく出来ているかもしれない。ただし、何も得るところがないことも事実である。家に帰ってみたDVD「純喫茶 磯辺」が面白かっただけに、余計にそう思う。もちろん人間は千差万別である、面白いと思った人はそれでいいじゃないか。
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by sibanokuni | 2009-10-12 07:11 | シバちゃんのため息
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