ベネチィアの民主主義
いつかはこの記事を書かなくてはと思いつつ、なかなか引越しなどで忙しく、まとめる暇がなかった。が、このベネチィアの政体はとても参考になる。とても難しく十分に説明できるか心配ですが、やれるだけやってみます。ただし、全面的に塩野七生さんの著書、「海の都の物語」からの引用ですので、他での裏は取っていません。彼女がウソを書く理由はひとつもないからです。
おおむね13世紀に完成したその政体は、ベネチィアが亡びるまで機能していたと考えられます。まず、当時、市民大集会に一番の決定権があったものの、市民はポピュリズムに左右され、それでは長期的な展望に立てないという指導者の悩みがあった。そこで、国家元首の選び方を工夫することで、専制君主にならないよう、そしてローマ法王やギリシャ正教などの影響を受けないために大変に面倒くさい選挙方法を考え付いた。 まず、国会議員は六区あるうちの三区ごとに2人の代表を選び、合計4人の有権者が議員定数の半分に当たる100名を選ぶ、彼等の任期はたったの1年である。残りは書いてないが、たぶん貴族が選ばれるのだろう。(書いてないのでわかりません) さて、終身の国家元首が死んだ時に次の元首をどのように選ぶのか・・・・・・ 国会議員から30人が選挙で選ばれ、そこからくじで9人にする、その9人が40人の議員を選ぶ。その40人がくじを引き、12人にする。その人たちが25人を選び、またくじを引き9人にする。その9人が45人を選び、くじで11人にする。その11人が41人を選び、その41人が国家元首の選挙をして、25票以上を獲得すると国家元首となる。 国家元首に選ばれた人は最終的に市民大集会で承認されなければならない。さらに、国家元首は各区から選ばれた6人の補佐官とすべてを相談しなければ何も決まらないという。 どう考えてもよく分からないシステムで、私は何回も読み直し、ノートに書き写しながら、一体どんな意味があるのだろうと考え込んでしまった。ようは、くじを使うことで多数派工作が難しいし、また敗者復活制度もあり、最終的にそれなりにふさわしい人がなったんだろう。 日本でこれをやって見るとおもしろいが、どうなるだろう。ただし、終身の元首なのだから、責任はものすごく重い。現実に麻生さんが死ぬまで総理大臣になるとしたら、困るよね・・・・。もっとも、日本は天皇が終身の国家元首だったな、ただ、私達に選んだ覚えはないけど・・・。 つまり、ベネチィアの貴族達もそして市民も、特殊な国であるだけに、同じ船に乗っている運命共同体であることを十分に認識し、よその国のように権力者が誤って国を亡ぼさないよう精いっぱいの工夫をしたのだろう。 十分に理解できていないが、元老院銀の中から選出される10人委員会とか40人委員会というのがまた別にあり、これがまた元首に対し対等な発言権があったようだ。 コールマン氏が主張した「三百人委員会」の原型がこれなのかも知れない。三百人委員会と言うのが存在するかどうかは私にはわからないが、それが最高決定機関だとは思えない。おそらくそのような組織があったとしても、最高指導者はその上に存在すると考えるのが普通であろう。 ベネチィア商人たちはフン族が仕入れた奴隷達を黒海からアフリカの回教徒へ運び、大金をせしめ、その金でコンスタンティノーブルで金製品や麻薬などを購入し、ヨーロッパの貴族達へ販売することで巨万の富を築いた。銀行家達は、戦争を誘発し、軍資金を融資し、さらに兵器、傭兵を斡旋することで現在の地位を築くのだ。ベネチィア商人はその後、世界中に交易を広め、世界中に不幸の種を輸出したのだ。彼等のやっていることは基本的に現在も同じであろう。 オルタナティブ通信にもベネチィアの銀行家、デルタ・バンコとチンギスカンとの関係が書かれているが、オルタ氏によれば、彼等の情報システムは今でも生きているとのこと。 その情報が正しいかどうか、私には調べるすべもない。ただ、オルタ氏の主張は私の現在考えている仮説と重なるところがあり、思わず注目してしまった。
by sibanokuni
| 2009-04-02 09:58
| マヨちゃんの古代史
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