天安門事件に関し
坂口三郎氏の本「世界騒乱の本質」には副題がついている、「天安門の黒い主役」という題である。今でも天安門事件という言葉は中国の非民主性を現すいわば象徴的な言霊である。
我々日本人はマスコミの刷り込みにより、中国が非民主的な国家で、国民は常に虐げられ、暗黒時代そのものであると教えられている。さらには最近、チベット騒乱、そしてウイグルでの反政府活動家への弾圧が報道され、いかにも中国の指導者達は極悪非道の如く糾弾されている。 私は中国へ行ったことも、暮らしたこともないので実情はまったくわからないが、しかし、十数億の民が飢え死にすることもなく、貧乏であったとしても平和に暮らしているとするなら、中国何千年の歴史の中でまさに画期的な時代であることは間違いのない事実なのだ。 それに反し、民主国家を誹謗するアメリカの現状はどうなのだ。日本はどうなのだ。どこに民主的な要素があるのか。多数決が民主的な手段とするなら、51対49でも物事が決まってしまう。49%の人の意見はまったく無視され、51%の人がすべてを握る。これが民主主義なのであろうか。多数決でものを決めるにあたり、少数意見の尊重という一言があるはずで、郵政民営化にしても、国民の半数近くは反対したはずである。 これはもう言うまい・・・・。 要は、中国を批判できるほど自分たちが民主的だと思っているのか、という事に尽きる。実際の話し、中国に住んで見なければわかるはずがない。現状の日本が民主的というなら、民主主義というのはそれほど良いシステムとは思えない。やり方の問題かもしれないが・・・。 西尾幹二さんは、台湾問題で右翼の中で孤立し、金美齢女史を激怒させたと聞く。この坂口氏の意見も西尾氏と同様で、もはや台湾は中国に統一したほうが良いとの考えのようだ。 隣国との関係を緊張させることで、防衛予算を獲得し、支配者達の飯の種である軍需産業へ税金を貢ぐ、この活動のために金をばら撒き、世論を右傾化させる。これが小林よしのりたちの持つ使命である。もちろん桜井よし子も同じ仲間である。 ・・・・という事は、西尾氏のほうが数段ましか?・・・・・右翼もいろいろあるな。 私は隣国と仲良くし、緊張をなくすことで、軍備に費やす税金を国民に還元することが外交のもっとも重要な仕事ではないかと思う。そんなのは理想論だと馬鹿にされそうだが、国際間の緊張というのは作られたもので、表向き緊張関係にあるように見せて、実は上手に付き合うと言うのが大人の外交ではないだろうか。 私がよその国の主権をとやかく言う権利はもうとうないが、右翼の内部でもめているとしたら、その人たちは他国への主権侵害であり、いらんお世話である。むしろ、自分たちがどこから金をもらっているのかを白状しているに過ぎない。 それと、一番肝心なのは台湾に住んでいる人たちがどのように考えているかであり、日本にいる限りそれはわからない。意外や中国と統一されたいと思う人が多いのかもしれないし、戦争してまで民族自立をと考える人がどれぐらいいるのか・・・・やはり、いらんお世話だね。そのために選挙があるんだ。 そんなことより、昨日からなぜか周恩来が気になり、義兄から借りていた本の「周恩来秘録」(高文謙著)を読むことにした。これは、天安門事件はもちろんのこと、文化大革命のことすら何も知らないことに気がついたからであり、この本を読んだ後にさらに「マオ 誰も知らなかった毛沢東」を読むことにした。 なぜなら一方だけでは偏るだろうからである。・・・・・でも、大変そう・・・。 坂口氏の本によると天安門事件は、ゴルバチョフ氏が北京に来て、中国との歴史的和解をアピールしようとするのを妨害するブッシュパパの陰謀だったと書いてある。この見解を踏まえて、今一度天安門事件を読み解いてみると、なるほどCIAならやりかねないことと納得する。あまりにも我々は報道の偏向に毒され、真実が見えていない。いうまでもないことだが、市民デモというのはそんなに簡単に出来るものではない。これは現在の日本でもそうなのだ。公安に囲まれあっという間につぶされてしまう。数万人規模のデモというのは周到に計画された組織的な陰謀でしかありえない。天安門事件の首謀者の学生は、その後、支援者の手で国外へ亡命したという。これはそれなりの陰謀だった証拠であろう。
by sibanokuni
| 2009-04-10 09:46
| マヨちゃんの陰謀論
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