BISを捨てましょう。
「お世話になりました。また近くに来たらよれせていただきます。」と笑顔で帰られた。
今日で定年になる某銀行員のおじさんです。(こちらもおじさんにかわりはないが・・・) 「ええ、ぜひよってくださいね。お待ちしています。」と送り出した。 サラリーマンを相手にしている以上、宿命である。また一人お客が減る・・・とほほ。 「やっぱり、定年を迎えてみるとさみしいもんだ・・・。」と彼は語った。 「ブログでも書いたらどうですか?」 「何のブログをやればいい?」と聞くので、 「銀行時代の体験談とか、失敗談とか、とんでもないことなど、おもしろいじゃないですか・・・」 「ふーん、」と生返事であった。 とりあえず、明日から無職で、ばら色の人生が始まるようにはみえず、他人事ながらこちらも気分が重い。 私のカフェは安いという事も特徴だが、年配者向けに苦味を効かせた大人のコーヒーである。シャビシャビのアメリカンとは違う。だから、どうしても定年間近の人が多くなる。確率的に言って、固定客の二割ぐらいが毎年定年になってゆく。 この店が出来て十三年になる。始めたころは銀行の人、証券屋の人でごった返し、それこそ立って飲んでもらったものだ。それが一変したのはバブル崩壊後の金融再編成からだ、店のそばにあるのは某大手銀行の本店だった。何があったのか、もう忘れてしまったが、自己資本比率という国際基準が突然登場し、ある日気がついたらハードルが上がっていた。それでその某大手銀行は大阪本社の某大手銀行に吸収され、さらによく分からない不祥事で、これまた超大手の大銀行に吸収されてしまった。気がついたら儲かったのは看板屋さんだけだった。 そのいわゆる失われた十年で、この界隈のにぎやかさは失われ、銀行員が仕事中にコーヒーを飲む人もなく、集金に回っていた外交員もなくなり、定期預金を頭を下げて勧誘する姿はない。しかたがないので銀行へ出向き、両替から振込み、出金、入金、すべて機械が相手だ。窓口には派遣社員、そこらじゅうに監視カメラ、一体銀行は何のためにあるのだろう。何がしたいのだろう。銀行にとってお客さんとは誰なんだろう。 今でもうちの店には銀行員は多いが、どの人にもかつての目の輝きは見られない。私にはよく判る、昔の銀行の人たちは日本を支えているという自負があった。今の銀行の人は何をやればいいのか見失っている気がする。 先日、サンヨーがパナソニックに買収された時、サンヨーへ融資している銀行は、その債権が不良債権から優良債権に変わるため巨額の利益が発生すると聞いた。一体どうなっているのだ、サンヨーへの債権が不良債権だというのか、土地も機械も技術も、すべてが世界水準であるサンヨーへの債権が不良債権というのは納得がゆかない。これは基準が間違っている。どんな査定なのだ。 サブプライムローンなど、誰が考えても怪しげな証券がAAAを獲得し、真面目に物作りをしている会社が不良債権ではやってられない。 今の世の中の間違いはBIS基準である。すべてはここから始まったのだ。日本の銀行は企業と一体で、日本株式会社を応援してきたじゃないか。現在アメリカを始め世界の大手銀行は自己資本比率をクリアーできていないはずだ、だったら日本も護送船団方式に戻し、BIS基準を捨て去るべきだ。そしてもう一度銀行員に日本を支える気迫を見せてもらいたい。そうすればわがカフェーもお客さんが戻ってくる・・・甘いか・・・。
by sibanokuni
| 2009-04-17 09:43
| シバちゃんのため息
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