大連阿片事件とは
さて、「神々の乱心」は小説である、しかし、落合莞爾氏によれば、そもそも大連阿片事件を上原元帥から調べろと依頼をされた吉薗周蔵が、それを逸見十郎太に頼んだというところがそもそものきっかけである。
そして、逸見から吉薗へ渡された調査書がのちに吉薗明子の手から松本清張に渡り、それを題材にして小説を書いたという事である。 したがって、新興宗教とか、殺人事件に関してはもちろんフィクションと考えなければならない。しかし、そこは巨匠、清張、ついでにいろいろな噂を織り込んで小説と見せかけ表に出せない真実をそっと忍ばせているに違いない。そのあたりがこの小説の見どころ、いや、読みどころなのである。 ネットで調べても、なかなかこの阿片事件の概要ははっきりとはしない。ただ、落合氏の記事を眺めると、吉薗は頭山満に出会った時、頭山が「おまんがあの報告書を書いたんだな。あれでワシも少しだけ動かせてもらった。」と述べたという、そして吉薗はそれを聞いて、「そのおかげで原敬を死に追いやってしまった。あんな良い首相を殺してしまって・・・・」と後悔したと言う。 つまり、大連の阿片汚職の金が政友会の選挙資金に使われたことは裁判でも明らかだが、判決に表れていない裏事情について清張は小説の中で書いているはずである。 現在、上巻を読み終えたところでいよいよ核心に迫っていくが・・・・、実在の人物と架空の人物の区別がつきにくく、清張さんの世界に引きずり込まれそうで、実に楽しい。未完のまま死んでしまったため、本人の思惑は不明であるが、天才最後の作品をじっくりと味わいたいものだ。 一応、大連阿片事件の概要を説明します。(小説の中から適当に端折って説明します。その裁判は大正十二年八月、旅順の関東庁高等法院で行なわれた。) 満州では長年シナ人においては阿片の吸引が日常化しており、急激な禁止はその中毒者の生命を危うくするもので、関東庁は治療、救済の目的で阿片を供給することとする。 そして大連にシナ人設立の慈善団体、嘉善堂戒煙部を設立し、そこが輸入販売をすることとする。そしてその収益は関東庁へ納入する。 大正八年に発覚したこの事件では、被告木原茂三郎は大連民政署長として故意に安く阿片特売人に阿片を販売し、彼等に格別の巨利を与えたものである。 この裁判では木原と特売人数名が有罪となったが、その莫大な収益の行方の一部が政友会に流れた件に関しては追及されなかった模様である。 私がこの小説を読むきっかけはもちろん落合莞爾氏の思わせぶりな書き方のせいである。私の現在の最大の興味は日本の支配構造の中の宗教部分とそして半島勢力の部分の考察なのである。 それらの謎のほんの一部はあちこちから顔を出しているが、口に出すことすらはばかられるほど怖いことばかりである。もちろんそれは黒龍会に関する事もあるし、金正日もあるし、日本の暴力団に関することもある。 さあ、今日からいよいよ下巻にはいる、上巻ではまだ核心に迫ることは何もでてこなかった。楽しみに読むことにします。 この小説にでてくる満州の地名で、大連は卑弥呼のいた邪馬台国、そして奉天は遼東城、そして新京の長春は渤海時代の中心都市、うーん、ところで、吉林はマヨ理論で言うとおそらく新羅の発祥の地、しかも高句麗の檀君神話はこのあたりから出ている。もちろん新羅と高句麗は同族である。 古代史では夫余がどこにあったのか、あるいは高句麗がどこにあったのか、どう調べてもはっきりしない。つまり明らかに事実が隠されている。問題は渤海が高句麗の後継国であったなら、高句麗は教科書で習うよりはるかに奥地にあったことになり、最初の首都はどう見ても長春である。その後、今の集安まで南下して平壌としたのだろう。いうまでもないが、北朝鮮の平壌はあくまで高麗の首都であり、高句麗の首都ではない。 してみると、夫余はハルピンもしくはチチハルとなる。そんな馬鹿な、と言われるが天孫降臨の天降る(あまふる)とは、以前から言っているようにアムール川、即ち、黒龍江から来た人たちのことだから、黒龍、韓国読みでコグリョウ、高句麗のことなのだ。関東軍がどうしても満州を支配したかったのは、つまりそこが長州藩の心の故郷だったのであり、薩摩族にとって、そこはどうでもいい地域だったのだ。 黒龍会というのはまさにその意味を知っている人たちであり、彼等はおそらく日本の歴史を把握していたのだろう。この考え方は現代でも生きており、北朝鮮の中にも、日本の中にも間違いなく存在している。 それを今調べているのだ。
by sibanokuni
| 2009-05-20 09:23
| マヨちゃんの古代史
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