テレサの真実
女房のパリがテレサテンの伝記、「私の家は山の向こう」を買ったのでさっそく読むことにした。
以前、サムライさんが特集してたのでいずれは読もうと思っていた本である。ついでに言うなら、その時サムライさんが取り上げていた「世界騒乱の本質」(坂口三郎著)はすでに読んでいる。 二冊を読み、天安門事件がゴルバチョフ訪中を妨害するためのブッシュパパの陰謀で、CIAの策謀だったとの前提でテレサを考えていくと、彼女が台湾当局のスパイだったという噂はまずありえないことがわかるし、逆に言えば彼女がスパイだとするならむしろ中国側として活動していたと考えたほうが、より可能性が高いのではないかと考える。 著者の有田芳生氏は、彼女の遺族、そしてレコード会社、そして彼女の友人の協力を得てこの本を書いている以上、彼女が仮に本当にスパイだと気付いたとしてもそのようなことを認めるわけがない。その点はまずはっきりさせておかないと大きな間違いを犯す事になる。伝記物を読む場合、誰のために書かれたかは最低限確認する必要がある。 天安門以前、台中関係は今から見れば大変な緊張関係にあった。その中で日本も、台湾当局も、そして中国にとってもテレサの存在はかなり外交的に言うなら微妙な問題であったことは間違いない。従って、彼女は台湾当局と取引しながら日本への入国許可を得なければならなかったことは当然であったろう。日本でも親中派や親台派の関係は深刻だったので、彼女の行動は常に緊張の中にあったはずである。 彼女は天安門事件の直前、中国当局と協力し大きなコンサートを企画しており、それが成功すれば、台湾にいる外相人にとっても、世界中の華僑にとっても、そして民主化に努力していた中国当局にとっても大きな成果が期待されていた。これを危惧していたのは台湾当局であったに違いない。 そして中国が、そしてソビエトが望んでいた中ソ首脳会談で劇的な段階を迎えようとしていた。 それを阻止したのはブッシュであるという。CIAが天安門事件を演出し、中ソ会談を妨害、そして中国の天安門での学生弾圧を引き起こした。テレサにとってもこれは予定外である。 坂口氏の本によれば、ゴルバチョフの天安門事件へのお返しがベルリンの壁の崩壊だという。謎解きは難しい・・・・。 天安門事件をCIAの陰謀と考えるか、中国の民主派弾圧と見るのかで大きく立場は変わるのだが、客観的に見て、ゴルバチョフとの会談を妨害したかったのがアメリカであり、台湾当局であった以上、CIAの謀略説はまず間違いないところである。したがって、天安門事件で失望し、前途を悲観したテレサはむしろ中国とつながっていたと考えるべきだ。彼女の祖父母は中国に在住していて、いわば人質を取られていたとも考えられる。スパイと言うのは極端で、協力者だったと見るのが妥当か・・・・。 彼女の死因に疑問が残るのは当然で、本書によれば喘息の発作とその薬の使いすぎであるというが、疑いだしたらキリがないところである。でも、殺されたと見たいのなら、犯人はCIAか台湾当局だろう。 天安門事件からもう20年。世の中は変わった。私の考え方も変わった。中国の首脳が本当は世界と仲良くしたいのに、そのようにさせない人たちがたくさんいるという事がようやく私には見えてきた。そしてそのような人たちがネット右翼として毎日活動している。 結論としてサムライさんとは若干違ってきたのかもしれないが、私のほうが疑り深いのだろう。
by sibanokuni
| 2009-06-09 09:26
| マヨちゃんの陰謀論
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