街での雑感
昨日は久しぶりに名古屋駅周辺をうろついた。人ごみはあまり好きではないし、街のきらびやかな風景はもはや封印したはずの百八つの煩悩が目を覚ましかねない危険性を含み、もはやアラカンなのだから田舎で隠遁しようと決めたのではないか。なんてブツブツ言いながら、女房が見たいというからJR高島屋の10階のおいしいもの展を見ることにした。何でこんなに混んでるの?どこが不景気なの?と思いながら、一体みんな何を買っているのか観察しようとした。よく分からない・・・・スイーツらしいんだが、どうにも並んでまで欲しくなるとは思えない。
「ねえ、パリ?なに売ってンの?」、 「さあ、よくわからないね。」 「どうせならなんか買って帰えろうよ・・」 「うん、でもすごい行列よ・・・」、 「僕ね、タバコ吸ってくるから、なんか買っといで」 「ばかねー、タバコ吸うとこなんかあるわけないじゃん。」 「あっ、そうか・・・・、ねえ、欲しいもの何もないし、こんな田舎モノばかり一杯いるところ早く離れようよ・・・」 「もー、あなたと来るとほんとに疲れるわねー、でも買うものないし、帰ろっか。」 てなことで、エスカレーターで下りたのだけど、皆さんエスカレータの右半分をキッチリ開けている、そうでなくても混んでいるのだから並んで乗った方が混雑しないのに・・・・・「ねえ、エスカレーターでは歩かないようにって行ってたよね・・・」、「そうよ、だから開けなくてもいいはずよ。」 日本人はこうなのだ、確かに地下鉄駅などでは時間に追われて走っている人もあるから、「おーい、開けろよ!」なんて怒鳴られるのかもしれない。でも、百貨店なんぞは暇だから来るんで、別にそんなに急ぐ人はいまい・・・・と思い、ひとりエスカレーターの右側で頑張ったが、確かに居心地が悪い。みんなが片側開けているのに自分だけそこにいることは世間様に逆らっている気がして、あー日本って国はどうしてこんなに世間体を気にするのだろうと感心してしまった。わたしゃ平気だよ。 名古屋駅の地下でタバコを吸いたいのと、コーヒーを飲みたいのとでコンパルへ行く。ここのコーヒーは美味しいのだ。深煎りの苦い味は、さすがネルでのダブルドリップである。あいにく店内は一杯で、「相席でもいいですか?」、「ああ、いいよ」ということで、65才ぐらいの中年男性と相席になった。 「ねえ、パリちゃん、欲しいものがないと街へ来てもつまらないね。」、「そうねぇ、地デジが始まる頃にテレビを買わなきゃならないぐらいね・・・」、「地デジか・・・、そういえばDVDって記憶容量どれだけだっけ?」 「うーん、しらない・・・」 「8ギガですよ。」、といきなり向いの中年男性が話しに割り込んできて、それから何か知らないがオーディオ談義をしてしまった。彼は真空管を買いに駅まで来たそうで、GEの古い真空管を見せてくれて、「これ2000円、いまなら手に入るので何本かストックしておくんですよ。」とうれしそうに語っていた。「いやー、いまね、こういう話をする相手がいなくてね・・・今日はうれしいですよ。」とニコニコでした。 私も同じ気分ですよ、私の「マヨ理論」は本当に少数派で、世間の中では真空管のような存在です。なかなか良い味なのに、もはや誰にも相手にしない、でも広い日本にはまだたくさんのファンがいるのですよ。 帰り満員の地下鉄では痴漢に間違われないよう、なるべく手を上に挙げながら、街には人が一杯なのに、それぞれが孤独を感じているのだな。たまたま同席したオッちゃんと会話して、そんな事を感じました。
by sibanokuni
| 2009-09-21 06:11
| シバちゃんのため息
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