倭の五王は誰なのよ?
新撰姓氏録をいじくりながら眺めているとなかなか面白い発見がある。「大原真人、敏達天皇孫、百済王也」、なんて書いてあると、孫が百済王なら敏達も百済人だろが!・・・・なんて突っ込みを入れたくなるよね。
ニギハヤヒの子孫など、もう、うじゃうじゃいるところからして、案外神話ではなく5世紀以降の神さまなのだろう。 それと、まったく姓氏録に子孫が出てこない天皇がある。中には欠史8代と言われながらも3,5,8,7代の天皇の後がいたり、逆に16代仁徳から履中、反正、允恭まで、それから21代、雄略、清寧、仁賢、武烈、安閑、欽明あたりの子孫はまったく姿を見せていない。 (参考までに 和風しごうです。クリックすれば大きくなります) 架空だろ、と言ってしまえばそれまでだが、あいにくそうばかりではない。 もちろん天智天皇以前の何代かの天皇は架空もあるし、いたとしても天智天皇に亡ぼされているから子孫はどこかへ逃げたのだろうが・・・・。 しかし、仁徳、武烈、雄略あたりの実在は堅いのである。つまり、徹底的に亡ぼされたか、地方へ逃げていったもか・・などと考えられる。ちょうどそれは有名な倭の五王の時代にあたり、皇国史観と現実の歴史の矛盾が隠しようがないのである。梁書、宋書などが正確だったかは多少論議が必要だが、外交は重要事項であるからまるっきりうそを書く事はありえない。従って、書紀にそれが載っていないというのは、その事実を認めるわけにいかないという事である。 加治木さんの本に面白いことが書いてある。 「神武から応神までは「父子相続」なのに、仁徳系は皇位継承が「兄弟相続」に変わった。」とあり、さらに「和風しごうが前後の天皇と比べあまりにも短く、粗末過ぎる」そうである。「仁徳は「おおさざき」、履中は「いざほわけ」、反正は「すいばわけ」、安康「あなほ」、顕宗「おけ」、仁賢「おおけ」という調子である。また、允恭もよく見ると「おあきづまわくごのすくね」もよく見ると「宿禰」というまるで臣下にしか使わないような称号を使っている。」 つまり、日本書紀を編纂した時点、これは正確には不明であるが、とりあえず天智天皇のころに始まったと思われるが、倭の五王と対応できないよう年代をずらすようなテクニックを使ったのである。 何を隠したかったかを考えてみよう。 応神は百済王の庶子だった。これは石上神社の七支刀の結果だが、指名したのは鮮卑、慕容氏であり、百済王の庶子を倭王にし、列島へ派遣した。当時、高句麗王も慕容氏の指名で安氏が送り込まれ、好太王となった。この好太王の軍勢を借りて百済王が列島へ侵入、河内まで到着したのである。ここで高氏・高句麗はなくなり、安句麗になった。 当時、河内近辺が倭国だったとは思わない、たぶん大和(たいわ?どのように呼ばれたのかはわからない。))だっただろうが、いわゆる武内宿禰というのがスキタイ族で百済王に付いて来た軍事顧問であろう。その後、北魏(鮮卑・拓跋族)が燕国(鮮卑・慕容氏)を亡ぼし慕容氏は南下し安羅に逃げ込む、さらに北魏は日本海を渡り、日本海側から列島に侵入する。私の意見ではそれが仁徳、雄略、武烈たちなのである。 その子孫がいずれ源氏になるのだが、後の新羅となる韓半島から日本を支配することになる金春秋にとってそれら北魏は天敵だった。だから彼等の歴史を消したのである。 加治木氏とはこの時点でまったく意見が異なってくるが、加治木氏は半島からの侵入や日本海を渡った満州の部族をまったく認めない。逆にすべてが日本から半島へ攻め込んだのだという。これで歴史を解明してゆくのだから立派なものである。私が正しいとは言わない。しかし、鹿児島や沖縄から半島へ入り、百済も新羅も高句麗さえも倭人が作ったとでも言うのである。私には考えられない。 結果はどうあれ、毎日加治木さんに学びながらも戦っているのである。相手の主張は十分に聞くつもりだが、これと戦うことで私の歴史もいっそう進歩すると信じている。 問題ははっきりしている。つまり加治木氏はスキタイをシャカ族、つまりインドから海を伝わってやってきた仏教徒ととらえていることで、私はシャカ族=スキタイは同意するものの、インドへ入ったのはその一部に過ぎないと思っている。即ち、スキタイ支配層は無神教で、仮に信仰があったとしたらおそらくミトラである。 彼らスキタイは中央アジアから宗教を人民支配の手段とし、キリスト、ユダヤ、ヒンズー、イスラム教などを使い世界を分断支配したのである。単に仏教徒としてとらえ、インドから船で宣教したと考えるとフン族、匈奴、突厥などの遊牧民の実態を誤るであろう。 加治木氏は半島から日本への渡来を否定するために、逆説を展開しているものと認識する。スキタイが海洋民族とするのは間違いで、あくまで国家を持たない中央アジアの覇者という位置づけをしないことには歴史が解明できないのである。
by sibanokuni
| 2010-02-06 06:09
| マヨちゃんの古代史
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